Part 12|田中丸善一

静かに眠ったまま
降り積もる形
April 20[Tue]—24[Sat], 2010
左より、
1:≪雨の祖霊 ≫2010年/500×300×150mm/木材、鉄、ケーブル
2:≪ケルメスナラ≫ 2010年 /350×350×200mm/木材、鉄、ケーブル
3:≪親友≫ 2010年/350×350×200mm/木材、鉄、ケーブル
4:≪ うずく≫2010年/350×350×200mm/木材、鉄、ケーブル
5:≪く しゃみ≫2010年/350×350×200mm/木材、鉄、ケーブル
6:≪痩 果≫2010年/350×350×200mm/木材、鉄、ケーブル




















「抜け殻」 

ある一定の秩序に従って木材にワイヤーと鉄板が貫通し、絡み合う。異なる三つの材質がそれぞれの質の特性に従って自らの動き、領土を主張し他の質の動きを規制する。その妥協点としてはじめて外形が決定される。侵食しあう運動の束の間の静止。
その姿は昆虫の抜け殻に似ている。変体前の限界と変体後の可能性を記憶に留めるあの薄い抜け殻のように、田中丸の作品は次の形態に向かおうとする運動の直前の静止を保ち続けている。(M.Y.)





[テキスト]吉田正幸(M.Y.)