March 18[Thu]—20[Sat], 2010
田中拓馬
和紙に水彩
「平和」の象徴としての日本国憲法のテーマと人災のスケッチを描いたこの作品は、同じ主張を行いながらも互いに背反したパースペクティブの中で鑑賞者に憲法の真意を問いかける。この浮遊するような感覚は、作品に対する鑑賞者の願望のズレにより引き起こされる。それはギャラリーという制度と作品の成立が意図的に引き離されている事を示す。
作品の素材と日本国憲法という2項の自己矛盾は、作品単体の魅力に留まらず、美術という制度と日常創作行為の間をさ迷い、日本国憲法が鑑賞者の生活環境に戻ってゆくことを望んでいる。(岡本拓)
羽渕徹
《no title》
鋼、モーターなど/⌀1212×457mm
回転する装置は、動き始め、一定の速度ですすみ、またとまる。あたかも人間の一生、すなわち、誕生、成長、死を予感させる。停まったのちにまた動き始めるのは、生命の連続性を感じさせ、また新たな生命に前の生命が受け継がれるのを感じる。
岡本拓
木、アクリル絵の具/200×200mm(1点あたり・全8点)
四角く閉じられたいくつかの世界は、対称性をたもちつつも、微妙に非対称を併せ持ち、それぞれが、異なった宇宙として存在していた。それぞれの世界はどうつながっているのだろうか、つながらないのだろうか?見るものも想像力が世界の連続、非連続について考えさせられる作品である。(田中拓馬)