Part 8|山﨑成美

きれぎれのきわにオレンジ
March 24[Wed]—27[Sat], 2010




《ともに唱和する》
1455×1620mm/油彩、カンヴァス

《3日目 空は大地を作り海が生まれ彼らはやってきた》
727×910㎜/油彩、カンヴァス

《守護者たち》
158×227mm/油彩、カンヴァス





ああ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁあぁ 

一度叫んだ声がひびいて、無限の空間を感じさせるこだま。
山﨑成美の展示場に入ると、キャンバスから飛び出た様々な色の線が、こだまのように白い空間まで広がって響く。
作品をじっくり見ると、四角い枠の中に完全な形はあまりない。色面と色線が混ざり合って、表しているものは、何かの分節である。全体の部分。私達は彼女特有の色感、そして引いて切られた線だけで、全体を推測しなければならない。

元は何だったのだろう。
どこから来たのだろう。

キャンバスを飛び越えて壁に出てくる線。それを追っていくと、白い空間の上に全体の形が見えてくる。それは風景でもあり、風または草原の向こうから聞こえてくる音でもある。

勝手な解釈ではないかと。

彼女は推測可能と不可能の間、つまり極小の線や色を使い、我らの想像力を働かせる。
最小限の造形言語で、鑑賞者の目の前に無限の世界を呼び込む。(J.S.)





[テキスト]   申栽和(J.S.)