Part 4|長尾圭介・佐々木智子

無神経の触覚
February 23 [Tue]―27 [Sat], 2010
 
佐々木智子

《read》アクリル・木枠・キャンバス / 652×803mm

 
《水になじむ》アクリル・木枠・キャンバス / 910×727mm



「風景に浮遊するもの」

佐々木の近作「水になじむ」「水にしずむ」は視力の悪い目で見させられているかのようにぼんやりとしている。
何となく風景だなと思う。
その風景の上で、所々白いマチエール達が生起しているように見える。これらは水辺に生息する生き物たちを想像させる。
生き物が外部を知覚するとき、一つ一つの感覚はどのように統合されて帰結するのか。
もしも諸々の感覚を統合するための体がないのであれば、それらはどこにも収まらないままでその場にただ浮遊しているのではないだろうか。(K.N.)





長尾圭介

左より:
1《壁を共有する》w1500×h1200×d600mm/ワックス
2《one room Ⅰ》w280×h200×d200mm/ワックス・ラテックス
3《apart》w200×h1040×d170mm/ワックス
4《jointed room》w380×h200×d180mm/ワックス・ビニールシート
5《one room Ⅱ》w280×h210×d170mm/ワックス・石膏








「共有する、通り抜ける」

触られている事に気づかずやり過ごす。触られていると気づいたときに初めて感覚は機能する。
触られているのに気がついていない状態。触られたことに気がついた状態。触れている状態に変わりはない。
例えば内側と外側があって、それぞれは存在している。それらがいつの間にか逆になっていたら、或いは、混ざり合っていたら。それは神経の働いていない間に、いつの間にかどちらかが侵食していた、触れていたという状態を思わせる。
内側と外側、その間を含む空間で、長尾の作品はそれぞれがスペースを確保する。(T.S.)




[テキスト]  長尾圭介(K.N.)/佐々木智子(T.S.)